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洞爺湖、小春日和

先月ふらりと行った、洞爺湖の回顧録です。


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鏡の水面

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洞爺湖といえばブナ林は無いものの、見られる植物相は道南そのものです。
たとえば、ガマズミ。
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道南でなくても見られますが、札幌周辺では見かけません。
どちらかといえば本州以南の植物という印象ですが、オオカメノキやミヤマガマズミ、ヒロハガマズミなど、道内で見られる近縁種は寒冷地によく見られる種類が多いです。

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宝石のような紫色の実をつけるムラサキシキブも、道南ならでは。
ガマズミと同じように林床に見られる低木ですが、やはり美しさが際立つのは、葉が落ちた晩秋。

枝先をよく見ると、冬芽に芽鱗が無い「裸芽」なことが判明。
芽を保護するカバー(芽鱗)が無い裸芽は、温暖地や積雪地など、冬でも凍害を受ける心配が無い地域の樹木によく見られる特徴です。芽鱗といえば、桜の蕾の付け根に付いている茶色い鱗のようなものを思い浮かべれば分かりやすいかもしれません。

ムラサキシキブは黄葉しているのを見かけますが、時々果実と同じように美しい紫色に色づいた葉もあって、苗木のうちから美しい樹木です。僕がムラサキシキブを見た場所で一番北と思われるのが支笏湖の東岸ですが、それより北に自生が見られるのか気になっています。

この日は、オオバクロモジやコバノヤマハンノキなど、普段のフィールドでは見られない、北海道的には南方系の植物がいくつか見られたのも収穫だったかな?





しかし写真を撮ろうにも暗くてぶれてしまうなぁ…なんて思って空を見れば、もう夕暮れ時。

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陽が傾いた湖畔を歩いていると、いろんな物が漂着しています。
すっかり洗われた流木に混じって、栃の実があったり。海と比べれば狭い環境だけれど、植物の一部が漂着していれば近くに生育していることが分かるので、分布状況を知る手掛かりとして面白い場所。

数ヶ所から接岸しましたが、風向きによっても漂着物の量は随分と違います。


水草も漂着していて、セキショウモ、ササエビモらしきヒルムシロ科、クロモ、ヒメミズニラが見られました。しかし、セキショウモなどは湖底から葉を伸ばすロゼット型水草なので、自然に千切れたりして大量に漂着することは考えにくいはず。全体的に、自然に抜けたり切れたりした雰囲気ではない漂着藻が多かったのは印象的でした。

モーターボートなど、湖水を撹乱する活動が影響しているのだろうと思います。
支笏湖では水生植生保全の観点から、既にモーターボート乗り入れ規制がされていますが、レジャースポットとしてお馴染みになった洞爺湖では、難しい問題なのでしょう。

漂着藻だけでは何とも言えませんが、無意識のうちに自然を傷めてしまう場面が少なくないことを考えさせられる場面でした。



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帰り道の中山峠より、羊蹄山。

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