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野生のバラ

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夏の日差しのなか、線路脇や原野では野生のノイバラたちが咲き誇っています。

ノイバラ(野茨)は、れっきとしたバラの一種で、日本では北海道西部から、南は九州まで広く分布しています。白や薄桃色をした香りのある花を咲かせ、身近な野原を彩っています。

バラと言えば、ヨーロッパで改良された園芸植物の代表格のような存在ですが、じつは改良の元となった原種の多くはアジア原産で、その一部は日本にも自生しています。

バラには、剣のように尖った花弁を持つハイブリッドティー系や、重量感のあるオールドローズ、壁を伝うツルバラなどいろいろなタイプがありますが、その中でも小輪の花が房咲きになる品種の多くが、ノイバラを親に持っているわけです。



そしてもうひとつ、多くの園芸品種の親となった日本のバラのひとつに、ハマナスがあります。

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北国の海岸に咲く美しい海浜植物というイメージのほうが強いかもしれませんが、香水が採れるほど香りが良く、さらに耐寒性が強いので、他のバラと交配されて多くの品種が生み出されています。ハマナスを親に持つグループは、学名のRosa rugosaにちなんで「ハイブリッド・ルゴサ」や、「ルゴサ系」と呼ばれています。

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ハマナスには、ごくまれに白い花を咲かせる株が出現することがあります。いわゆる白ハマナスですが、園芸的に育てられている「白ハマナス」や、たくさんの花弁を付ける「八重ハマナス」と呼ばれているものの中には、ハイブリッドルゴサも含まれているようです。この写真の花は、海辺の消波ブロックの間に咲いていたので、野生と見て間違いないでしょう。
北海道には、野原のノイバラ、海辺のハマナスだけでなく、山で見られるバラもあります。

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可憐なオオタカネバラです。
深山の岩場や亜高山の樹林内でひっそりと咲いています。園芸品種の親としてはほとんど注目されていない品種ですが、落ち着いた雰囲気の花はなかなか魅力的だと思います。



園芸品種としてのバラと、野草としてのバラ。両方の視点を持ってバラを見ると、野草としての逞しい生き方と美しさを併せ持っていることに気付きます。

そして、どんな花にも、必ず元になった野生種があることを思いながら向き合えば、その故郷が案外と身近に有ることに気付くかもしれません。

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