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夏のアポイ岳

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真夏がはじまった7月中旬、アポイ岳に行きました。

日高山脈の南端に位置し、固有の動植物が多いことで有名なアポイ岳。朝5時に札幌を出てから、車で4時間ほどで、アポイ岳の麓の様似の街に着きました。

しかし、様似の街はガスで真っ白。山の上はどうなっている事やらと心配しながらの登山となりました。

しかし、不安をよそに、標高300mくらいまで上るとガスは晴れ、眼下には雲海が見えてきました。

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尾根に出ると、「馬の背」と呼ばれる細尾根を辿り、頂上を目指します。

乾いた尾根は、超塩基性の橄欖岩などが崩れてできたガレ場になっていて、登山道から手が届くところに、アポイならではの花が散りばめられたように咲いています。

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葉の手触りがよさそうなアポイハハコ。

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膝丈くらいで花を付ける、小さなハクサンシャクナゲ。
園芸種としてもお馴染みの襟裳シャクナゲ並みの小ささです。

そして、アポイ岳から隣の吉田山に続く稜線では、こんな花も見られます。

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小さなワスレナグサのような、エゾルリムラサキ。

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海を見下ろす岩場に咲くキンロバイ。北海道では、アポイ以外でほとんど見られない花です。

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地味ですが、これもアポイくらいでしか見られない、ミヤマハンモドキ。他では道内の数か所の山に、ごくわずかに生育しているだけのようです。橄欖岩が積み重なった、少し日陰っぽい場所に這うように生育していました。

こんなふうに、ここにしか見られない多様な花が咲いているのは、土壌を強アルカリ性に傾ける、橄欖岩のおかげです。高山植物にとって生存競争の相手となる、平地の植物のほとんどは、強アルカリ性の土壌では根を傷めてしまうため、アポイ岳の稜線で生きてゆくことはできません。しかし、高山植物のなかには、強アルカリ土壌と直射日光に耐えられる種類があり、それらがアポイ岳の環境に適応して、独自の姿になっているのです。

北海道を南北に貫く地域には、橄欖岩と同じ強アルカリ性の蛇紋岩が分布していて、そこでもアポイのように、特有の植物種が見られます。有名な場所としては、夕張岳も蛇紋岩地にあたります。

登山道の真ん中にも、アポイの花を生み出した橄欖岩の姿を見ることが出来ます。

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こんな風に、青緑色が美しい硬い岩石です。この岩石が、長い年月をかけて固有の植物たちを生み出したと考えると、何とも不思議な気がします。

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