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夏の手稲山

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涼しげな平和の滝コースから、手稲山に登ってきました。

大きなスキー場があり、テレビ局などのアンテナが林立し、札幌のランドマークにもなっている手稲山。自然地形というよりも、都市の一部となっている山ですが、その山麓には今でも原生的な森林が広がっています。

今回は、毎日のように眺めてはいるけれど、真面目に登った事が無かった手稲山に行ってきた話です。

登山口からは緩やかな登りが続き、すぐ左側を渓流が流れています。遠くから見た手稲山からはちょっと想像できないくらいに、深山の情緒たっぷりの山です。

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そんな登山道を登り始めてすぐに迎えてくれたのが、涼しげなエゾアジサイ。水色の花弁のように見えているのは、萼片が変化した装飾花で、この部分にはふつう種が稔りません。開花して種を作るのは、写真では粒状に見えている「両性花」で、装飾花がもっと濃くと色づいてから開花します。


さらに登っていくと、ある場所から急に登りがきつくなります。それまでは沢に沿ったコースでしたが、その先は沢を外れて山頂までほぼ真っ直ぐに道が伸びているので、岩場だらけの急登になっているようです。
バテ始めた頃、おいしそうなタモギタケが生えていましたが、今回は写真を撮るだけに留めます。

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汁物や鍋物にすると美味しい、夏のきのこです。北海道ではスーパーにも売っていますね。




さらに登ると、急に視界が開けて崩壊地のようなガレ場に出ます。比較的歩きやすい平和の滝コースの中では難所と言えるかもしれません。

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このガレ場がいつからあるのかは分かりませんが、よく見ると面白い現象に気が付きます。ガレ場の下端には幅5mくらいのハイマツ帯があり、その下には幅30mくらいのアカエゾマツ林、さらにその下には針広混交林が広がっているのです。

多くの山であれば数百メートルから数キロにわたって緩やかに変化する植生の垂直分布が、この場所ではわずか数十メートルの間に凝縮されています。



ガレ場を抜けて40分ほど登ると、ようやく頂上にたどり着きます。
頂上では、6月に花期を迎えるはずのハクサンチドリがまだ咲いていました。

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淡いピンク色をした個体。

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濃い赤紫色の個体。こっちのほうが多数派。

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山頂からの眺め。どこまでも原生林が続くように見えますが、後ろを振り向けば地平線まで石狩平野の街が広がっています。


山頂では、不思議なことがひとつ。

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なぜかハマナスが咲いていました。まさか大昔の海の名残ではないと思いますが、それにしても何故こんな場所に咲いているのでしょう。

ハマナスに限った事ではありませんが、山に咲いている植物を観ていると、その植物がいつ、どこから来て、これからどうなってゆくのかを考えてしまいます。はっきりした答えは出ないのかもしれませんが、その植物が何百年、何千年もかけて辿ってきたであろう道に想いを馳せるのも、一種のロマンかもしれません。

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