野草のはなし

天売島行ってきたよ

最近色々あって、ちょっと更新が滞ってました。すみません~sad

で、6月14~16日にかけて北海道北部に浮かぶ天売島まで行って来ましたよ!いやぁ~、まさに海鳥の楽園っつーことで鳥好きにはたまらない夢の浮島ですね。いっぺんに全日程を網羅するわけにはいかんので、今日は1日目に見られた植物たちにスポットを当ててみましょうか。

    Teuri2

まず天売島の岩浜に降りてビックリしたのが、このハマベンケイソウ。道北特有の海浜植物なんですが、こんな綺麗な花がいきなり見られるとは…さすが天売だ、、Teuri1

海をバックに撮るとこんな感じ。似たような花にエゾルリソウというのがありますが、そちらは道央の高山で見られる花です。

Teuri3エゾヒナノウスツボという花です。地味ながら特徴のある花ですよね。実際の花の長さは1センチほどです。最初に蕾を付けた個体を見たときは何だかわからなくて、脳内検索して30秒くらいでやっと名前が出ました(笑

Teuri4エゾネギ。野生のアサツキと言ってもいいくらい似てますが、アサツキはエゾネギの亜種だったかな?

今日はこれくらいにしておいて、あとの2日分は近々紹介しますね!

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共生の輪

北海道の森でも、野生蘭たちが咲き始める季節がやってきました。今日は、春の花のような華やかさとは無縁ですが、新緑の季節にひっそりと咲く花たちに目を向けてみましょう!!

Ginran

まずはギンラン。

丘陵地帯の2次林や人工林に咲く花で、野幌や札幌の森では注意深く探せば多く見つかります。

まだ蕾ですが、晴れた日の日中には、控えめに咲く可愛い花が見られます。

Yuusyunran_2 こちらはユウシュンラン。ギンランの仲間ですが、個体数も自生地域も限られている珍しい花です。こんなに見られるチャンスは人生に一度有るか無いかでは…?

ところで…

専門的な話ですが、多くのラン科植物は、何らかの菌類と共生関係を保って生きています。共生のメカニズムは様々ですが、今回のギンランとユウシュンランの2種はいずれも、生きた樹木の根と共生する特定のキノコの菌と共生関係を結んでいるといいます。

つまり、ギンランやユウシュンランが生えている場所の近くには、必ず木があるということです。蘭と共生しているキノコの菌もまた、共生相手の木の種類を選びます。

ギンランは特にシラカンバとマツ科の針葉樹、ユウシュンランはモミ属の針葉樹林に多く見られる傾向があるように思えます。

今年は何種類の野生蘭を見られるかな!?

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タンポポの謎

Tanpopoezタンポポといえば、身近に見られる植物の代表格ですね。

今日はそんなタンポポを取り巻くお話です。

タンポポといえば、あまりに身近すぎて興味を持たれる人も少ないようですが、じつは地域によって見られる種類が違うことをご存知でしょうか?

たとえば北海道では、全域に分布するエゾタンポポのほか、東部~北部の海岸線を中心に分布するシコタンタンポポがあり、他にも高山帯にクモマタンポポ、ユウバリタンポポ、オダサムタンポポ、オオヒラタンポポ等が限られた山に少数自生しています。(オオヒラはオダサムと同種?と言われる)

Planterの行動範囲は北海道なので、北海道の平地で見られる北海道在来種のエゾタンポポと、ヨーロッパから持ち込まれて全国に広がった外来種のセイヨウタンポポの複雑な関係を語ってみましょう。

ちなみに、冒頭写真は大学構内に1株だけ咲いていたエゾタンポポ。

日本在来種のタンポポと、海外から持ち込まれた外来タンポポの簡単な区別方法は、花のガクの部分(総苞片といいます)を見ればわかります。強く反り返っていれば外来種、花に密着するような感じなら日本在来種です。

しかし実際には、ガクが反り返ってはいないけど、密着もしてないぞ?という微妙な個体も良く見られます。大抵、こういう中間的な特徴を持ったタンポポはセイヨウタンポポなどの外来種と、その地域在来のタンポポとの間に生まれた雑種です。

Tanpopose  これが、全国的に広まってしまった外来種のセイヨウタンポポです。1枚目の写真に比べ、外側のガクが反り返っているのがわかりますか?

Tanpopozaそしてこちらが、判り難いですがエゾタンポポとセイヨウタンポポの雑種で、ガクの反り返りが半端です。

北海道では都市部で見られるタンポポの殆どがセイヨウタンポポですが、少し郊外に出るとこのような雑種も多く見られます。既に札幌圏では、かなり山奥に言っても純粋な在来種は殆ど見られません。

まぁ、タンポポの交雑が進んだからといって人間の生活に大きな影響が出るとも思えませんが、なんかこういうのってイヤだなぁって思います。

今更どうにかしようとしても手遅れなのは目に見えていますが、今まで身近にあったものが、いつの間にか別のものと入れ替わってしまうというのは、寂しい事だと思う。

手遅れになる前に対策を打つこと。たった一人の無知や管理ミスが原因で、全国規模の問題を引き起こす恐れがあること。明日には、あなたが加害者になる恐れだってあるということ。勿論僕だって同じですが…

そして何より、それを多くの人に知ってもらう事。

それが、外来種問題唯一の解決策でしょう。

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富良野・美瑛 春の旅「植物編」

昨日の続編、今度は植物編です!

とは言っても富良野・美瑛というよりは、道中の三笠・芦別の山の植物メインです。

ミヤマハタザオ。岩盤の隙間に健気に咲いていました。Furanof0841

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花をアップにするとこんな感じ。アブラナ科独特の可憐な花です。

Furanof0843沢筋に点々と咲くエゾワサビ。お寿司のワサビとは、やや遠い親戚にあたります。太い根っこは無いので見つけても引き抜かないように…

Furanof084アイヌタチツボスミレ?らしきスミレが咲いていました。葉に若干照りと赤みが乗った個体も多かったのでアポイタチツボスミレに近いタイプでしょう。月見層という白亜紀の堆積岩の露頭の隙間に咲いているので、若干は鉱物イオンの影響を受けている可能性も高いですね。

Furanof0845_2トガリアミガサタケも出てました。意外と美味しいキノコらしいですが、食べた事がありません。食べる程採れないので…

Furanof0844

最後に、正体不明のバラ科の植物。やはり月見層の露頭に張り付くようにして沢山咲いていました。ミツバツチグリに似ていますが、何かが違うような??

例によって、ご存知の方はコメント願います!wink

見られた植物:アイヌタチツボスミレ、オオタチツボスミレ、ミヤマハタザオ、エゾワサビ、オクエゾサイシン、レンプクソウ、ヒメイチゲ、ニリンソウ、シラタマノキ、エゾイソツツジ、コメススキ、ダケカンバ、アカエゾマツ、トドマツ、ハイマツ、イワギボウシ、カラマツソウ、ノビネチドリ、ミズバショウ、エンレイソウ、オオバナノエンレイソウ、バイケイソウなどなど…

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エンレイソウ七不思議

0805081e 野幌の森を歩いていると、エンレイソウ があちこちで目に留まる。

上を向いて白く大きな花を咲かせているのがオオバナノエンレイソウ、ちょっと控えめにうつむいて咲くミヤマエンレイソウ、茶色っぽく地味だけど圧倒的多数派のエンレイソウの3種類が森を彩る。

しかし、時にどれにも当てはまらない特徴を持った雑種が存在する事をご存知だろうか。

明るい原野や傾斜地でよく見かけるオオバナノエンレイソウは、写真にも撮り易いし、実物も本当に綺麗。080508161

08050816オオバナノエンレイソウとミヤマエンレイソウとの交雑種も。シラオイエンレイソウと名づけられた交雑種は、両種が混生する場所では時々見られます。

これはミヤマエンレイソウに似たちょっと華奢な個体。

0805080_3

こちらはエンレイソウとミヤマエンレイソウの雑種のヒダカエンレイソウ。この辺りではシラオイエンレイソウよりもずっと希少です。

さてさて、じつは冒頭の写真は4種類のエンレイソウが写った集合写真でした。

中央やや右に写った白い花はシラオイエンレイソウ、その左に見えるのがアオミノエンレイソウ。アオミノエンレイソウの奥にエンレイソウがチラッと写っていて、背景に点々と咲く白いものがオオバナノエンレイソウです。

なぜか今年は雑種を沢山見ます。今までは単に観察不足だったんでしょうが、エンレイソウの仲間を毎日見るたび疑問は増えるばかり。

種間雑種によって生まれた雑種エンレイソウが存在する事は図鑑などでも書かれています。しかし実際には純粋種と雑種の区別が困難なことが分かります。

純粋種といわれるものでさえ、もとを辿れば種間雑種だったりするそうなので当たり前といえば当たり前??

特にオオバナノエンレイソウとシラオイエンレイソウが似すぎていて分からない。はっきりシラオイエンレイソウと分かるものも多いですが、オオバナノエンレイソウの純粋種とシラオイエンレイソウとの区別が非常に微妙のように思えます。オオバナノエンレイソウの中にも他種の遺伝子が混ざった個体がかなり有るのでは?と、勝手に想像していますが…。

ともかく、エンレイソウの不思議は7つどころでは収まらないよsweat01

また近々レポートしてみます!

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身近な住人と謎

Tanpopo084 砂浜を歩いていると、見たことのないタンポポが咲いていた。Tanpopo0842

丁度こんな感じで、海の見える砂浜に10株ほど咲いていました。

始めはエゾタンポポだろうと思って、風景写真のつもりで撮影してしまいました。もっと細かな特徴まで撮るべきだった…

外花被片(いわゆるガクの部分)が反り返らないという点で、在来タンポポであることが分かります。分布からしてエゾタンポポと思い込んでいましたが、花の特徴はシコタンタンポポにも似ています。

在来種のタンポポは、外花被片が花に密着していますが、外来種のタンポポは外花被片が反り返ることで区別が付くとされてきました。ただし、実際には両者間で交雑が進んで、はっきり区別する術が無くなってしまったのが現状。

で、結局このタンポポは何者なのか???

エゾタンポポとセイヨウタンポポの雑種は近所でもよく見かけますが、このタンポポは両者とも明らかに違います。特に葉の形が。08050612pict0002_2

写真では分かりにくいですが、葉の縁がスプーン状に湾曲していて、セイヨウタンポポよりも立ち上がる傾向が見られます。また、切れ込みが極端に浅いのも気になります。葉先も、やや丸みを帯びています。

何れにしても、最終的には標本採集するしか無いのですが、それにしても自生個体を犠牲にすることになるし、、、標本にしてしまった後に調べてみたら希少種でした、なんて事になったら、取り返しが付かない。

まぁ、新種ってことはそうそう無いと思いますが、もし「これじゃない?」と思う種類をご存知の方は、是非コメントお願いしますcoldsweats01

皆様のご意見、お待ちしております!!

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今年も、サクラの季節が廻ってきた。

例年ならゴールデンウィーク終盤頃に満開になるので、満開の桜を見ると「もうすぐ夏かぁ」と、ちょっぴり憂鬱な気分になる。

だが、今年は違う。

やっぱり早すぎでしょうよ…sweat01サクラ…

Sakura085

満開の桜も素晴らしいですが、枝ひとつ、花ひとつをとっても美しい。

Sakura081スジグロシロチョウの仲間が、花弁に寒そうにしがみ付いていました。

Sakura082雪と桜。意外と見られない画ですね。   

Sakura083風に吹かれたか、鳥に突かれたか、落ちてしまった花。どんな姿でも、風情を感じられるのは何故だろう。Sakura084

桜の樹の下に人知れず芽生えた桜の双葉たち。

植物にとって、花を咲かせるということは、あくまで次世代を繋ぐためのプロセスに過ぎない。

まぁ、そう言ってしまえば風情も何もあったものじゃないけれど、お花見の時には思い出してみてください。

あなたの足元にも、小さな桜たちが芽生えている事でしょう。

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Time lag

Time lag 直訳で、「時間差」。

なんで今日はこんなタイトルになったかというと、今日気晴らしに見に行った近所のエンレイソウ自生地で、ちょっとした異変に気付いたからでした。

まずは、普通のエンレイソウ。植物学的にいうエンレイソウは、この種類を指します。

Enrei074小豆色~黄緑色を帯びたガクが目立つ代わり、花弁はありません。完全に開いた花もありますが、半分くらいの個体は咲き始めです。

Enreishiro074一緒に咲いていたシロバナエンレイソウ。ガク片と同程度の長さの、白い花弁を持ちます。

ちょっと可憐な雰囲気。

ん???

エンレイソウを見慣れた方なら、何か違和感を感じられたのではないでしょうか?

なぜエンレイソウとシロバナエンレイソウが同時期に開花しているのか。普通の丘陵林に自生するエンレイソウでは、エンレイソウの方が1週間以上早くに開花するはず。シロバナエンレイソウのほうが遅れて開花するため受粉時期が合わず、混生していても交雑が起こりにくい。

エンレイソウは花弁を持たないため咲き終わりが見分けづらく、一見すると他種と同時に咲いているように見えますが、実際には他種のエンレイソウ類とは少し花期がずれているのです。

この場所も、例年ならシロバナエンレイソウのほうが1週間近く遅れて咲き出していました。なのに何故今年に限って同時に咲き始めたんだろう?

推測ですが、今年の気温上昇のペースの速さが関係しているように思います。4月20日に咲いたサクラ。既に散りかけのエンゴサク……

両方とも、札幌周辺ではゴールデンウィークの風物詩のはずなんですが…sweat01

エンレイソウは、開花時期をずらす事で交雑を極力避けてきた歴史があります。海岸沿いの斜面のような、雪解け後すぐに気温上昇が起こる場所では交雑個体も発生したようですが、交雑が多く起こる地域はある程度限られているようです。

雪解け後に間髪入れず気温が25℃まで上がり、同時に咲いてしまった2種のエンレイソウたちは、交雑を起こす可能性が通常よりもずっと高いでしょう。

仮に交雑したとしても、エンレイソウの仲間は種子が地面に落ちてから地上に葉を現すまで1年半、更に開花するまで10年近く、栄養状態によってはそれ以上の長い年月がかかります。

今回のエンレイソウの件が、地球温暖化やら何やらの影響なのか、単なる偶然なのかは僕には全く解りません。

でも、今までとは違った現象が起こったとしても、それが私達の目に見える形で現れるまでには長い時間差が発生するというのは、よく考えると怖い事ではないでしょうか…

本当に怖い事は、気に留めないと解らないような些細な出来事から、じわじわと日常を蝕んでいくものかもしれない。

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自然のいたずら

Baikeisouhu

札幌周辺では湿った森でよく見かける、バイケイソウの斑入り葉を見つけました。

若草色の地模様に、キレの良い黄色の斑が美しいですね。

特にバイケイソウは大型の植物なのでよく目立ちます。

ここで、そもそも斑って何だ??という疑問が生まれると思いますが、簡単に言えば「葉緑素が抜けた部分」というワケです。

通常の植物は(コケや植物プランクトンも含めて)、細胞の中に葉緑体という組織を持っており、その中で光合成が行われることで養分となるブドウ糖を合成します。

つまり、植物の緑色に見える部分には葉緑体がいっぱいあって、その緑色に見える部分で自分が生きる為の養分を生産しているんですね。

そう考えると究極の自給自足だけど…(^_^;)

ということは…

葉緑体を持たない部分が多い「斑入り葉」というのは、植物によっては死活問題なんですよ。

種が発芽してから花を付けるようになるまで長い年月を必要とするバイケイソウのことですから、こんなに大きく成長するまで何十年かは生きてきたのでしょう。

今年は無理でも、来年か、再来年あたりにはたぶん、花を見せてくれるでしょう。

それまで枯れないでいてくれよ!!

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命の灯は人それぞれ

今年もあちこちで、エゾエンゴサク達が咲く季節になりました。

Engosaku5

講義に出る前に時間が空いたので、首にカメラを提げたまま構内をうろついてみた。

遠目に青い霞のように見える程の群落を眺めていると、マルハナバチが忙しそうに蜜集めをしていたり、のどかな春の風景が身近に見られるのも大学のいいところ。

今日はミニミニ写真集を作ってみました。

透き通るような水色の花もあれば、紫色の花や、爽やかなスカイブルーの花もあり、よく見ればさらに深みのあるマリンブルーの花もみられる。専ら種子で繁殖する春植物では株分かれによるクローン個体が無いので、個性豊かなのです。Engosaku1

Engosaku3Engosaku2白花発見!!

花に色素を持たない突然変異で、見られたらラッキーです。Engosaku4

野幌森林公園でもエンゴサクは満開。

カタクリかナニワズとの競演も撮ってみたいなぁsmile

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